トンマッコルへようこそ WELCOME TO DONGMAKGOL / 2004 / Korea
STORY
時代は熾烈極まる朝鮮戦争。森で道に迷った2人の<韓国軍>、敗走する3人の<人民軍>、偵察飛行で墜落した1人の<アメリカ軍>パイロット。彼らが偶然出会ったのは戦争が起こっていることさえ知らない村”トンマッコル”。国も立場も異なる男たちは互いに反発しあうが、トンマッコルでの平和な生活を送るうちに、やがて友情を育んでいく。そんな時、トンマッコルがアメリカ軍の空爆を受けることを知った男たちは、村を守るために立ち上がる。国を超えてひとつになった男たちの熱い勇気と友情が、アメリカ軍大部隊の前に立ちふさがる!
Based on the long running play by Jang Jin, the story is set in Korea during the Korean War in 1950. Soldiers from both the North and South, as well as an American pilot, find themselves in a secluded and naively idealistic village, its residents unaware of the outside world, including the war.
- 監督
- パク・クァンヒョン
- 出演
- シン・ハギュン, チョン・ジェヨン, カン・ヘジョン
REVIEW from 「文芸ジャンキーパラダイス」
1億点。舞台は1950年代、朝鮮戦争の真っ只中の半島。都市から遠く離れた山間の村トンマッコル(“子供のように純粋な村”という意味)は、戦争が起きていることも知らず村民たちは幸福に暮らしていた。その村に、連合軍のアメリカ兵パイロット、2人の韓国軍兵士、3人の人民軍兵士(北朝鮮軍)という、敵味方の3組6名が遭難し迷い込んでくる。兵士達は村人に銃を向けて「貴様らはどっちの味方だ」と迫るが、村人は銃も手榴弾も見たことがなかったので「それは何?」とポカ~ン。両軍の小競り合いの中、兵士達はアクシデントで村の食料貯蔵庫(一年分を貯蔵)を爆破してしまい、謝罪の気持ちから畑仕事を手伝うようになる(倉庫のトウモロコシがポップコーンになって雪のように空から降る場面はとても美しい!)。南北の兵士は畑にいても“いつ相手が襲ってくるかわからん”と、互いに警戒していがみ合うが、額に汗してじゃがいもを収穫しているうちに、だんだん憎み合うことがバカバカしくなってくる。畑を荒らすイノシシ狩りでは、ついに両軍の兵士が協力。村祭りで酒を呑み、歌い踊り、敵対心が友情に変わっていく。映画の後半は、戦乱に巻き込まれそうになったトンマッコルを救う為に、兵士達がある「恩返し作戦」を決行する。僕はこれに滝泣き。マジで脱水症状。村人から「今度の戦争はどこが攻めてきたんだ?中国か?日本か?」と問われて“同じ朝鮮人で殺し合いをしている”と言えず、黙ってしまう兵士達から朝鮮戦争の虚しさと悲しさが伝わってきた。音楽は宮崎アニメで知られる久石譲。ユーモアをふんだんに混ぜながらシリアスな物語を描いた優れた作品。お薦めです。兵士達が長老に“偉大な指導力の源は何ですか”と尋ねた答えは「腹いっぱい食わせることじゃ」。シンプルながら金言なり。from : 史上最強の超名作洋画ベスト1000
*本レビューは、「文芸ジャンキーパラダイス」管理人様の許可を得て転載しております。