地獄の黙示録 APOCALYPSE NOW / 1979 / USA
STORY
ベトナム戦争が真っただ中のサイゴン。アメリカ陸軍情報部のウィラード大尉にある密命が下される。それは、カンボジアに特殊任務で赴いたままジャングル奥地に自らの王国を築き、カリスマ的な存在と化した危険人物カーツ大佐を暗殺せよ、というもの。任務を全うすべく、ウィラード大尉は4人の部下とともに哨戒艇に乗り込み川をさかのぼる。道中、極限状態に晒され続けた彼らは幾多の異常な世界を体験していく。やがて彼らはついに、ジャングルの奥深く、カーツ大佐が潜伏する“王国”へと辿り着くのだったが……。
During the Vietnam War, Captain Willard is sent on a dangerous mission into Cambodia to assassinate a renegade colonel who has set himself up as a god among a local tribe.
- 監督
- Francis Ford Coppola
- 出演
- Marlon Brando, Martin Sheen, Robert Duvall, Frederic Forrest
REVIEW from 「文芸ジャンキーパラダイス」
元グリーンベレー(特殊部隊)隊長のカーツ大佐(マーロン・ブランド)が軍を離脱してカンボジアのジャングルに独立王国を築いた為、米政府はウィラード大尉(マーチン・シーン)を「カーツ暗殺」のために派遣する。ウィラードたちはジャングルの奥地に進むにつれ、戦争が育む狂気に精神を犯されていく…。from : 史上最強の超名作洋画ベスト1000
サーフィン好きのキルゴア中佐が「良い波がくる」という理由から、ヘリ9機で海岸線の村を襲撃するシーンは、ヘリからワーグナーの“ワルキューレの騎行”を大音量で流していることもあって、マッド感がフルに出ていた。
1975年にベトナム戦争が終結。この映画はすぐ翌年から撮影が始まった。当初、撮影期間は17週間を予定していたが、巨費を投じたセットが台風で倒壊したり、役者が病気になったり、アクシデントの嵐で61週間に延びてしまった。制作費は1200万ドル(当時約35億円)のはずが3100万ドル(約90億円)まで膨れあがった。コッポラ監督は心労で倒れ、「自殺して保険金を払うしかない」と考えるほど追い詰められた。
制作中は米政府のベトナム介入を初めて批判的に捉えたことが話題を集めたが、編集に2年もかかった為に、スコセッシ監督がベトナム戦争を描いた『ディア・ハンター』に先に公開されてしまった。
※コッポラはドアーズのジム・モリスンと映像科の同級生。名曲『ジ・エンド』使用の背景にはそのこともあるだろう。
※アカデミー賞(1980)撮影賞、音響賞/カンヌ国際映画祭(1979)パルム・ドール、国際映画批評家連盟賞
*本レビューは、「文芸ジャンキーパラダイス」管理人様の許可を得て転載しております。