グッドモーニング・バビロン! Good morning Babilonia / 1987 / Italy, France, USA
STORY
20世紀初頭のイタリア、トスカーナ地方。聖堂の建築修復を手掛けるボナンニ家は、かさんだ借金から、家業をたたむことに。そこで腕のいい兄弟のニコラとアンドレアは、資金を得るためアメリカに渡る。
サンフランシスコ万博のイタリア館建築に参加した二人だったが、ハリウッドの巨匠グリフィス監督が新作「イントレランス」で、イタリア館を建てた棟梁にセットを作らせることを知り、棟梁になりすます。
二人は映画の世界に足を踏み入れ、作中の都市バビロンのセット製作に加わる。「イントレランス」完成後、第一次世界大戦が勃発し、ニコラは祖国へ戻る。そしてイタリア軍として戦場に赴くニコラとアメリカ軍に入隊したアンドレアは互いに戦うことになるのだった。
サンフランシスコ万博のイタリア館建築に参加した二人だったが、ハリウッドの巨匠グリフィス監督が新作「イントレランス」で、イタリア館を建てた棟梁にセットを作らせることを知り、棟梁になりすます。
二人は映画の世界に足を踏み入れ、作中の都市バビロンのセット製作に加わる。「イントレランス」完成後、第一次世界大戦が勃発し、ニコラは祖国へ戻る。そしてイタリア軍として戦場に赴くニコラとアメリカ軍に入隊したアンドレアは互いに戦うことになるのだった。
After the bankruptcy of their father's stonemasonry firm, brothers Nicola and Andrea emigrate to America to restore their fortunes. After many adventures and near-disasters, they end up in ...
- 監督
- Paolo Taviani, Vittorio Taviani
- 出演
- Vincent Spano, Joaquim de Almeida, Greta Scacchi, Désirée Nosbusch
REVIEW from 「文芸ジャンキーパラダイス」
ビデオが廃盤になり、テレビでも全く放映されないので、クライマックスについて詳しく書かせて欲しい。時代はハリウッドがバビロンと呼ばれていた20世紀初頭。イタリアから一旗あげようと映画創生期のハリウッドにやってきた2人の兄弟が主人公。彼らは豊かなイマジネーションと手先の器用さで、ハリウッドの美術チームとして着実にキャリアを伸ばしていった。そんなおりに第一次世界大戦が勃発。「俺はイタリア人だ」と故郷に戻りイタリア軍に入った兄と、ハリウッドを愛し米兵となった弟が、戦場で敵味方に分かれて再会する。from : 史上最強の超名作洋画ベスト1000
炸裂する大砲、飛び交う銃弾、深く突き刺さる銃剣。混戦の中で倒れた弟を助けようと駆け寄った兄も致命傷を負う。地面をのた打ち回る2人。「兄さん…」「産まれてくる子は、俺たちの顔も知らない」(共に妻が身篭っていた)。その時2人の目に入ったのが、死んだ記録兵が回していたニュース用カメラだった。
「…きっと誰かが見つけてくれるよ」「お前も同じことを考えてたのか」。砲弾が降り注ぐ中、兄弟は最後の力を振り絞って体を起こし、交互にカメラを回しあった。最初に兄が弟を撮る。「顔を拭けよ。そんな顔を子どもに見せるのか」。弟は爆煙で黒くなった顔を拭く「これでいいかい」。2人のすぐ近くで砲弾が破裂するが、なおも兄はカメラを回し続ける。「笑えよ…」「笑っているさ…」。今度は弟が兄を撮る。カラカラカラ…。カメラが回り始めると、兄はレンズに向かって、ゆっくり無言で両手を差し伸ばした…わが子を抱きかかえようとするかのように。だが、その手は自分の血で赤く染まっていた。カメラに自らの血を見せる姿、それは子どもに向かって“父さんは今からこの傷で死ぬんだ”と伝えているようにも見えた。--こんな映画が、世の中にはあるんだ。
*本レビューは、「文芸ジャンキーパラダイス」管理人様の許可を得て転載しております。