Wars / Incidents

Locale

Person / Organization

Other Tags

ワールド・オブ・ライズ BODY OF LIES / 2008 / USA, UK

ワールド・オブ・ライズ

STORY

世界を救おうとする2人の男。CIA工作員のロジャー・フェリス(ディカプリオ)と、彼の上司であるベテラン局員、エド・ホフマン(クロウ)。
フェリスは、世界中の情報網の中枢に潜入し、現場を知らない上司にキレながらも、命を張って働く男。一方のホフマンは、平和な自宅や安全な本部から電話一本で命令し、部下の意見は無視する冷酷な男だ。
そんな生き方も考え方も違う2人の目的はひとつ。地球規模の爆破事件のリーダーを捕まえること。
足跡すら残さない正体不明の犯人をおびき出せるのは、「世界一の嘘」しかない。フェリスとホフマン、そして他国の諜報部の、息もつけない頭脳戦が始まった!
果たして世界を救うのは、いったい誰のどんな嘘か──?
from:itunes

A CIA agent on the ground in Jordan hunts down a powerful terrorist leader while being caught between the unclear intentions of his American supervisors and Jordan Intelligence.

監督
Ridley Scott
出演
Leonardo DiCaprio, Russell Crowe, Mark Strong, Golshifteh Farahani

IMDb Rating:

7.1

REVIEW from 「文芸ジャンキーパラダイス」

リドリー・スコット監督、L.ディカプリオ、ラッセル・クロウが組んだ社会派作品となれば観ないわけにはいかない。CIAがヨルダン諜報部と一緒にアラブの過激派ボスを追い詰める物語。ただし、単純なアメリカ万歳映画じゃなく、米国の傲慢さを隠さずに描き出しているので、アメリカ国内では不評だった(っていうか黙殺に近い状態)。レオ君が演じるのは最前線のCIA工作員フェリス。彼は現場を知らない上司(クロウ)が米国から送ってくる机上の作戦に振り回される。CIA本部からの指令は「情報提供者を泳がして誰に殺されるか確認しろ」という非情なものや、現地の文化や風習を無視した命令ばかり。無実の市民をテロ集団のリーダーにでっちあげ情報を集めるなど、良心の呵責に苦しむフェリス。一方、上司は安全な場所で物を食べながら生死を左右する指令を出している。フェリスは、上司に象徴される「アメリカ」が、異文化を学ぼうとせず自分のルールを強引に押付けるから、反発を生むし敵を増やすと訴えるが、上司は聞く耳を持たない…。制作費70億円を使って米国の尊大さ、横柄さを描き込んだ作品を生み出すハリウッドの懐の深さ、スターを起用して重いテーマをエンターテインメントとして成立させているスコット監督の職人芸はさすが。遙か上空のプレデター(無人偵察機)から地上の人間をどこまでも追跡するCIAと、土煙を巻き上げて攪乱するイスラム武闘派の頭脳戦は手に汗を握った。作戦の荒さが目立つCIAと、知的なヨルダン諜報部の対比もいい。ディカプリオは役柄に没頭した為、拷問を受けるシーンの撮影後、精神的に参って3日間寝込んだという。「タイタニック」ではオスカーにノミネートもされないという屈辱に甘んじたけれど、近年の「ブラッド・ダイヤモンド」や「ディパーテッド」など、その熱演には目を見張るものがある。しかも無意味なラブシーンが溢れるハリウッド映画が多い中、彼はイケメン俳優なのに今作でも「ブラッド・ダイヤモンド」でも、女優とのキスシーンさえないというド硬派ぶり。これから益々活躍が楽しみだ。
※ラッセル・クロウはふてぶてしい上司の役作りで体重を20キロ増やし太鼓腹で撮影に挑んだ。グラディエーターとは別人!
from : 史上最強の超名作洋画ベスト1000
*本レビューは、「文芸ジャンキーパラダイス」管理人様の許可を得て転載しております。

作品詳細リンク

一覧へ戻る